もし災害に遭ったとき、どのような行動をすればよいのか。
大切な家族を守るためのミニ知識をシリーズでお届けします。
ペットの防災。まずは情報収集とコミュニティ形成を。
災害のニュースを目にする度に、家で留守番をしているご家族(ペット)が心配になっていませんか?
備蓄や避難準備は、進めている。ワクチン接種やノミダニの予防もしている。
でも、人が苦手な子、狭い所が嫌いな子、姿が見えないと鳴き続ける子、アレルギーや病気を持っている子、高齢の子など、ご家族(ペット)の心配は尽きないと思います。
他にも、エキゾチックアニマルを飼っている、鳥が沢山いるなど、災害に備えたいと思いつつも、いつも漠然と「どうしよう」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。
私は、人と動物両方の看護師ではありますが、その前に、2頭の犬とフェレットの飼い主でもあります。
災害について学ぶまでは、私自身も上記のような心配を漠然と抱えておりました。
その心配をはね除けるために行ったことは、情報収集とコミュニティの形成、防災イベントや講座への参加でした。
まず情報収集ですが、インターネットやSNSを活用しない手はありません。
特に、環境省の策定している「人とペットの災害対策ガイドライン」や「被災動物対応記録集」などは、とても詳しく載っています。
また自治体の「地域防災計画」には、災害時のペットの取り扱いが記載されています。
ハザードマップや避難場所、避難経路を調べておき、ペットを抱えて移動するシュミレーションをしておくことも大切です。
次にコミュニティの形成は、ご近所さんはもちろん、非常時に預け合えるペット仲間を隣県などに作っておくと安心です。
先日、西日本豪雨災害被害のあった呉市と倉敷市へ支援に入りましたが、息子夫婦や親戚などにペットを預けているから安心して家の片づけができると聞きました。
また倉敷市などの避難所の中には、ペットと共に居られる避難所もありましたが、そこは災害前からの交流があったからこそ、上手く共生できている事例だと感じました。
最後にイベントや講座ですが、ぜひご近所で開催される避難訓練などにペットを連れて出かけてください。
そういった場所にペットがくることで、行政の方やご近所さんへ、人以外の避難者もいることを示す良い機会となります。
また私が活動する「
ペット救急員」では、ペットの心臓マッサージが体験できる講座などを開催しています。
そのような場で学ぶことは、防災だけでなく減災にもつながります。
どうぞ大切な家族のために、できることから始めてみてください。
「ペット救急員」 https://petkyukyuuin.wixsite.com/petsaver
正看護師・認定動物看護師 西村 裕子さん
動物病院に7年間勤務後、人医療の看護師となり6年間勤務。その後は教員として動物看護師を育成。上京を機に、災害支援を学びはじめ防災士、ペット災害危機管理士
1級など多数取得。BHELP研修や災害支援ナース研修などにも積極的に参加。8月は、西日本豪雨災害のあった呉市と真備市の医療支援に参加。現在は、飼い主向け講座として「ペット救急員」を展開。